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夜中の富山駅で職務質問された話 by昭和の時代

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あれから20年以上が経過して、今では駅周辺だけではなく、観光地も周るようになった

令和の現代ではなかなか考えることもないけれど、昭和の時代には日本全国に夜行列車が走っていたこともあり、駅の待合室は24時間開放されていることが多かったため、駅ネを旅のプランに組み入れることがあった。その名のとおり、駅の待合室などで一晩を過ごして宿泊代を節約するという、貧乏人にはうってつけの方法である。

 

あれは富山駅でのことだった。いつものように時刻表で調べて駅の待合室が一晩中、開いている可能性が高いと判断した。

駅に到着し、待合室に向かう。すると、どう贔屓目に見てもヤクザにしか見えない男たちが4人ほどたむろしていた。怖い。さすがに未成年の一般人に彼らが手を出すはずもないと今なら考えるが、時代はまだ昭和。恐怖を感じる。そこで、なるべく離れた場所を確保し、神経を彼らのほうに向けつつ、しかし「意識なんてしていませんよ」という雰囲気を醸し出せるように努める。他にも深夜の列車を待っているのか、客と思しき数人の男たちも座っているから、何となく気休めにはなる。

 

今日は眠れないかもしれない。そう思いながら椅子に座って電車、いや朝を待っていると、いつの間にかヤクザたちがいなくなっていた。ホッとする。これで眠れる。横になる。お尻の部分が低くなった椅子を5つ繋げた眠りにくい椅子ではなく、板張りとはいえフラットで身長分くらいある長椅子だから快適である。おやすみなさい。

 

1時間くらい眠っただろうか。身体を揺り動かされた。「ちょっと!」。目を開けると、制服の警察官が2人、こちらを見ている。明らかに不審者を見る目だ。客観的に見て職務質問すべき事案だから、日本国民として答える義務がある。

まあ、慣れたものだ。旅に出る際は必ず旅の行程表を持っていく。事前に旅のスケジュールをしっかり立てないと、想定外のことが起きた際に慌てることになる。国鉄(現JR)全線踏破を目指して全国を周っているので、少しでも効率良く、金もかからないようにしたいのだ。そんな行程表がこんなときに役立つことも、過去の経験でわかっていた。

 

すぐ近くにある交番に連れて行かれた。テーブルの前に座らされる。警察官に問われたことにはしっかり答える。行程表を見せる。切符を見せる。朝の電車を待っているんです。ほら、今日はここで電車を待つスケジュールになっているでしょ。

2人は納得したように見えた。しかし、彼らは言った。「そのカバンの中身を見せてくれ」。

 

それは勘弁してほしかった。一つの事実として、着替えや時刻表が入っているカバンの中にはタバコが入っていた。100円ライターも。小学生なら「パパの」という言い訳で乗り切れる。しかし、中学生以上だったら言い訳はきかない。歩道の大将になる。いや補導の対象になる。バカのふりをしようか。いや、でも、もう、まともな未成年であることを見せつけている。逡巡するのも躊躇うのもマズい。こういったとき、頭をフル回転させるのが得意である。電球の明かりがパッと点くのである。

 

「わかりました」。すぐにそう答え、フル回転させて出した結論を実行する。汚い下着、パンツを代表に、靴下やランニングを取り出してテーブルの上に並べたのだ。10日間の旅であっても着替えなんて1回か2回。誰も乗っていないようなローカル線の走っている車内でパンツを替えたこともある。当然、使用済みの下着は普段以上に汚くて臭い。一目見ただけで臭いまで想像できる。シミももちろんついている。それを、カバンの中ではビニール袋に入れていたが、彼らには見えないように袋から出してテーブルの上に出していったのだ。心の中は不安でいっぱいだが、これ以上の策は思いつかなかった。

汚くて臭い下着類に続いて汗臭いシャツなども取り出し、逆さまにしてブチまけようとカバンを持った瞬間、警察官が言った。「もういいよ、わかった」。

 

それ以上の尋問はなく、無罪放免となった。ふぅ~、これでゆっくり眠れる。

待合室で朝まで爆睡した。(令和元年11月17日)