ローカルな話題である。恐らく、どのメディアも取り上げることはないだろう。
北陸新幹線の安中榛名駅と信越本線の磯部駅間、そして安中榛名駅と安中駅(経由で安中市役所)までを結ぶバスが走っているのは周知の事実(苦笑)だが、令和2年8月24日にダイヤ改正が実施されることになった。
これまで、安中榛名駅と磯部駅との間を走る「磯部線」は、安中榛名駅を6:45に出る始発から、18:10の終発まで1日10往復(土日祝日は7往復)のバスが走っていた。それを安中榛名駅と碓氷病院前間を2.5往復減らすことで、安中榛名駅から磯部駅行きは7本(土日祝日は5本)、磯部駅から安中榛名駅行きは8本(土日祝日は6本)に減少することとなった(12/31〜1/3は全便運休)。
安中榛名駅から安中駅を経由して安中市役所まで走る「みのりが丘線」は、安中榛名駅を9:45に出る始発から、14:25の終発まで1日3往復(土日祝日と12/31〜1/3は全便運休)だった。これ自体は改正後も変わらず、始発が9:50で終発が14:20と時刻が若干変わる程度である。
この2つのことからわかるのは、安中榛名駅を軸として考えると、磯部駅へは2.5往復分減るけれど、安中駅へは変わらないということだ。
しかし、それだけではなかった。これまで安中榛名駅から2キロ弱のところにある秋間小前というバス停留所を通っていた「秋間線」(秋間中関から安中駅経由で碓氷病院前まで)の一部のバスが、安中榛名駅を経由することになったのだ。つまり、これで安中榛名駅から安中駅に行くバスが増えるわけだ。安中榛名駅から安中駅方面は4本(土曜は3本、日祝日と12/31〜1/3は全便運休)、安中駅から安中榛名駅方面は2本(土曜は1本、日祝日と12/31〜1/3は全便運休)。
結果的に、安中榛名駅から磯部駅か安中駅のどちらでもいいから行きたい、という需要に関しては以前とほぼ変わらぬ状態で維持されるわけだ。安中榛名駅に新幹線の撮影に来る人、安中榛名駅の秘境感を味わいたくて駅に来る人(峠の釜めしも買える!)、安中駅に安中貨物や東邦亜鉛の入替を俯瞰から撮影したい人など、土日祝日の使い勝手はかなり悪いけれど「磯部線」「みのりが丘線」「秋間線」のバスも使ってみてはいかがだろうか。安中榛名駅と同じような寂寥感を味わうことになると思うが、バスは撮影ポイントに近いところも走るし、上手く使えば時間をより有効に使えるはずだ。
安中市民としては、バスは特に車を持たない人や老人には病院やスーパーなどに出かける際の貴重な「足」であるから、何とか走り続けてほしいと思う。
最後に一言。先日(8月上旬)、K医師が「新型コロナウイルスの感染者が急増している先進国は米国の一部と日本くらい」という結論を導くためにグラフの縦軸の値を日本だけ10倍以上異なるようにしたグラフを公開した。ミスリードのためのあり得ないグラフで心の底から呆れたが、それに倣って秘境駅と呼ばれる安中榛名駅の交通事情をズバッと言ってしまおう。
安中榛名駅を発車する新幹線は全部で24本、安中榛名駅から発車するバスは全部で14本(平日)。つまり、朝6:52発の上り新幹線から夜23:11発の下り新幹線まで
1日に38本もの交通機関が稼働している
のである。もう秘境駅なんて言えないかもしれない(w)。(令和2年8月16日)