お化け屋敷が嫌いだ。幽霊にもお近づきになりたくない。ジェットコースターに乗っても手を挙げることなんてないし、肝試しをするなら何とかして複数人で行くことを画策する。ホラー映画を金を払ってまで見ようなんて狂気の沙汰だ。
しかし、世の中には奇特な人、つまり怖いもの好きがいっぱいいるようで、ホラーものといわれるパチンコのジャンルがすっかり確立されてしまった。バトルもの、タレントもの、ホラーものというわけだ。
もちろん、自分が受け入れたくないからといってヘイトスピーチに走るようなことはしない。周囲に人がいるパチンコホールで「CRリング 運命の日」を打つことまで否定するものではない。そこまで意気地なしには思われたくないから。
というわけで、平成26年に発表された「CRリング 運命の日」のパチンコグッズは、呪いのビデオテープである。まさにぴったりである。……とはいっても中身はビデオテープではない。それに見せかけたVHS型テープディスペンサーとマスキングテープである。そのテープには様々な文字やイラストが描かれている。怖い。でも役に立つ日が来る。きっと。 (令和2年10月14日)
ⓒ1999 鈴木光司 発行:株式会社KADOKAWA 角川書店
ⓒ1998「リング」「らせん」製作委員会